逆選択
情報の非対称性が存在する状況では、情報優位者(保持している情報量が多い取引主体)は情報劣位者(保持している情報量が少ない取引主体)の無知につけ込み、粗悪な財やサービス(レモン財)を良質な財やサービスと称して提供したり、都合の悪い情報を隠して保険サービスなどの提供を受けようとするインセンティブが働く。そのため、情報劣位者はその財やサービスに対して、本来の価値より過度に悲観的な予想を抱くことになり、もし情報の非対称性が無ければ売買が行われていたはずの取引の一部が行われなくなる。そして、市場で取引されるものは、悲観的な予想に見合った粗悪な財やサービスばかりとなる。
例)運転が下手だから自動車保険に加入する→保険加入者が運転が下手な人ばかりになる
モラルハザード
情報の非対称性のために、プリンシパル(依頼人)がエージェント(代理人)の行動を観察できず、起こり得る結果の全てについて責任を負わせることができなくなり、エージェントが機会主義的行動を通じてプリンシパルに損害を与えること。
例)自動車保険に加入したから事故っても安心→運転が荒くなる
逆選択は契約前、モラルハザードは契約後!
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